こんにちは、女性ホルモンの管理人のYURIEです。
実は先日、総合病院にて保険適応での陥没乳頭の手術を受けてきました。
陥没乳頭って実はけっこう悩んでいる方が多いのですが、なにせデリケートな部分の問題なのでなかなか解決に至りにくい面があります。
今回はそんな陥没乳頭で悩んでいる方のためにも、実際に手術を受けた様子や値段、術後について赤裸々に紹介していきたいと思います。
もくじ
私が陥没乳頭の手術を受けなかった理由
私自身、乳がん検診に従事しているため陥没乳頭についての知識や陥没乳頭であることによって受ける不利益については十分に知っていました。
・見た目へのコンプレックスになる
・乳腺炎が起きやすい
・マンモグラフィーなどで乳頭付近の評価がしにくくなる
・かゆみが起きやすい
・授乳が困難になる
・重度の場合炎症を繰り返すことで引き込みが強くなる
・最悪の場合、乳輪下膿瘍になり治りにくくなる
しかし、30歳手前になるまで手術を受けてこなかったのには理由があります。
それは「麻酔」です。
実は以前に親知らずの抜歯施術を全身麻酔下で行う予定があったのですが、土壇場で体質的に麻酔を行うにはリスクが高いため中止となった事がありました。
それ以来、麻酔をかけて行うような大掛かりな手術などは避けてきたため、自然と陥没乳頭の治療術も知ってはいたけど自分は受ける気はありませんでした。
陥没乳頭の治療を決めたきっかけ
陥没乳頭でも正直日常生活に支障はないですし、職業柄乳房の検診はマメに受診していたので安心しきっていました。
それがある日、無性に乳輪付近が痒くなり数日しても痒みは止まらず、しまいには陥没した乳頭付近から血液っぽいものが出てきました。
直感的に、陥没乳頭内に垢がたまり炎症を起こしたな…とは思いましたが、 乳がんの初期症状で異様な痒みや血液の混じった分泌物などがあるため念の為マンモグラフィーと超音波検査を受けました。
結果、やはり炎症によるものでこのまま放置すると乳輪下膿瘍といって乳輪の付近に膿がたまり難治化する恐れがあると言われ手術を受けることを決意しました。
手術前まで色々と試したが全く効果なし
今でこそこんな大っぴらにお話していますが、やはり中学生から高校生くらいまでは陥没乳頭のせいでかなり悩みがつきませんでした。
色々と陥没乳頭を治すためにピペトップと言われる器具を使ったり、百均のスポイトを改造したもので対策したりネット上で効果があったと言われるものはほとんどやりました。
しかし、結果から言うと私の場合は真性の陥没乳頭でつまりかなり重度、吸引系のものでは完治はまずしないタイプだったため全く改善されませんでした。
それどころか、無理に吸引器を使用することで乳頭が傷つき炎症を起こしたりして、乳頭の中への引き込みが強くなってしまいました。
紹介された総合病院の形成外科を受診して
私自身乳腺外科など病院について詳しかったため、信頼できる病院へ行き陥没乳頭の治療を得意としている医師がいる病院を紹介してもらいました。
私の場合はこれから授乳予定があり年齢も若いため保険適応となるので、総合病院の形成外科を受診しました。
診察してすぐに言われたのは「重度の陥没乳頭なので手術しないと治りませんよ」と想定通りのことを言われました。
そこからはあっという間で、手術をするために麻酔をかけれるかどうか、神経内科や循環器内科などを受診して検査をして問題ないことを確認し手術の予約をしました。
手術を受けるまでの準備
実際に手術を受ける当日、手術開始時間が12時半からだったので病院には12時までに来るようにと言われていました。
私は麻酔リスクが高い体質のため、静脈から麻酔を入れるタイプの全身麻酔での手術となりました。
多くの美容形成クリニックだと局所麻酔でその日のうちに帰宅できたりしますが、私の場合は安全第一でモニター管理がつく全身麻酔を選択しました。(のちにこのおかげで助かることになる)
手術を受ける前に売店で必要な物品を購入して、病衣へ着替えて身長・体重を測り点滴をつけて手術室へと向かいました。
手術室に入るとベッドがあり上半身裸になり仰向けに寝ます。
術前に胸の状態を写真に撮り(多分術後の経過を見るために使用する)顔の前に目隠し的な布を設置されて準備は完了です。
あとは点滴を通って麻酔が注入され、徐々に四肢の先がじ〜んっとするような感覚になり気づけば寝ていました。
手術中に一瞬起きてしまうというハプニング
麻酔をかけるまえに主治医の先生が来て手術の説明をして、麻酔がきいたらまた来ますと言ってさりました。
なので私は術後まで先生を見ることはないなと思っていたのですが…
手術中にまさかの目が覚めるという事態になりました!
ぐっすり寝ていた私ですが、寝ていてなんだか左胸が痛いな〜と意識がぼんやりしてきて夢うつつに左胸に熱々の鉄の棒をぐりぐりされるような痛みでパッと目が覚めました。
目が冷めた瞬間「あっ!」と声が出た気がするのですがその間も先生たちは「これで左胸は完成だから次右ね」と話していたのできっと目が開いただけっだったのだと思います。
時間にして30秒ほど痛いな〜っと感じて先生に痛いんですけど…と言おうとするも、麻酔の影響で声が出ず気づけばまた再び眠っていました。
術後麻酔がとれるまでかなり時間がかかる
手術が無事に終わり、途中で一瞬目覚めるもあとは最後までぐっすり寝て起きたら手術は終わっていました。
手術が終わっても麻酔がまだ残っているらしく術後3時間ぐらいは猛烈に眠くて10分も起きていられない状態でした。
術後は薬剤師さんが薬の説明に来たり看護婦さんなど着たりしていたのですが話している最中に爆睡してしまい全部代わりに主人が聞いてくれていました。
麻酔が切れてきたので夕方16時半ころでトイレに行きたくなり、主人に付き添ってもらいトイレに行くことにしました。
このときはまさかトイレがきっかけで死にそうになるとは思いませんでした。
トイレに行って徐脈になる
フラフラしながらも歩いてトイレに行き、用を済ませて部屋に戻ろうとするとだんだんクラクラめまいがしてきました。
ずっと寝ていたのに急に動いたから貧血かな?と思い急いでベッドに戻るも吐き気とめまいがどんどん悪化し、これはやばいかも!と思いすぐにナースコール!
看護婦さんが来た頃には話すらまともにできず意識もかろうじてある感じ…
看護婦さんが急いで脈や血圧を測ると 脈が30ギリギリまで落ちていて徐脈(じょみゃく)と言われる状態になっていました。
心拍数が60回/分以下の状態を表す(健常時は男性で60~70程度、女性で65~75程度)言葉。症状に胸痛・めまい・失神等がある。
寝ていても一向に症状が改善されず胸が苦しくなり、看護婦さんは主治医に連絡して薬を!となりました。
いざ薬を打とうとしたら徐々に脈拍が戻り血圧も安定してきたため、薬は打たずに経過を見る事となりました。
まさかトイレに行ったことで死ぬ思いをするとは思いませんでした。
結局術後1日は脈・血圧ともに不安定に
もともと麻酔のリスクが高いと言われていただけあって、万全の体制で望んだにもかかわらず術後は安静にしていても血圧も80そこそこまでしか上がらずずっとベッドで寝た状態となりました。
もちろんトイレも車椅子で起床する場合はその都度看護婦さんを呼ぶようにということで術後はネットで見かけるような即日帰宅なんてとんでもない!という状態でした。
真夜中に痛みはやってきた
夜11時位までは脈や不安定で胸の痛みどころではなかったのですが、夜中1時くらいになると麻酔で大半寝ていたせいが全然寝れなくなり、胸もジンジン痛くなってきました。
不思議と夜中の1時から3時くらいまでって入院している方の痛みや症状が出やすいようで、痛みに耐えていると他の部屋でナースコールの音がひっきりなしに鳴っていてうるさいし痛いしで全然寝れませんでした。
結局ロキソニンを夜1時頃に飲んだけど痛みは変わらず寝れたのは夜中3時過ぎでした。
そして朝4時半ころになると再び廊下が騒がしくなり結局まともに寝ることはできませんでした。
術後1日経過でなんとか退院
次の日の朝まともに寝れずこんな状態で退院できるのか?と思いつつ朝の血圧や脈など測ると無事正常値に戻っておりなんとか退院できそうな雰囲気でした。
朝食後担当の先生が来て手術部位の状態を確認し、不安はあるものも退院の許可が降りたので、午前10時半に退院となりました。
もちろんこの日は運転などは控えて極力自宅で安静にしているようにしました。
帰宅してお風呂に入るとガーゼがずぶ濡れ
退院する際に両胸にドーナツ型のスポンジと乳頭を牽引するストッパーがついているため、上からガーゼをして保護のためサランラップのような透明な保護テープ(テガダーム)をします。
基本的にかなりしっかり保護テープがされるのでちょっとの水では中のガーゼは濡れないのですが、私の場合しっかり保護テープが付いておらず右胸のガーゼがびしょ濡れになりました。
びしょ濡れになったものも、テガダームの場合中に入った水が隙間から出てきてその都度ティッシュで拭いているうちにある程度ガーゼの水分が取れ、テガダームも再び肌に密着しました。
退院の際先生も、シャワーで万が一濡れても大丈夫ですから、といっていたので基本的には次回の受診時まではガーゼなどの交換は不要でお風呂はシャワーだけで対応しておけば問題なかったです。
術後2日後
手術を受けて現在2日が経過しました。
手術部の痛みは日に日に軽くなってはいますがブラジャーなどの下着をつけると手術部位が圧迫されるため基本はガーゼと保護機をつけた状態の上からTシャツを着ています。
ブラジャーをしないことで胸へ振動が伝わりやすいため、寝返りをうったりドスドス歩くとやはり多少胸に響いて痛みを感じます。
術後5日後に退院後初の診察
無事に1泊2日の入院を終えてると、次回は術後5日後に手術部位の様子を確認するために再診しました。
この5日間はシャワーはOKですが湯船につかるのはNGでした、シャワーだけでも手術部位を保護するテープがどうしても外れてきてしまい、テープの中までお湯が入り結果的にガーゼなど全部ぬれてしまいました。
ちょうど夏場ということもあり、ぬれたガーゼもテープによって保護されていて再診する日までジメジメとちょっと不快でした。
再診したところ両胸とも傷口などの状態もいいということでそのまま更に3日様子を見て、大丈夫なら乳頭を釣り上げている器具を外すこととなりました。
術後8日目で釣り上げ器具は外れた
術後8日目になるとほとんど痛みはなく、そのかわりに猛烈な痒さに襲われました。
夏場に手術を受けないほうが良いと書いてあるブログを読んだを思い出して、あぁ~夏場だとお風呂が制限されてあせもなどができやすいから夏場は避けたほうが良かったのか…と思いました。
再診したところ器具を外して良いということで麻酔無しで乳頭と器具をつなげている糸をパチンと切って代わりに乳頭が圧迫されるのを防ぐためにつけるお化粧用のスポンジの中心を切ったものをつけて上からガーゼを付けテープで止めて診察は終了しました。
乳頭を保護するのにおすすめの方法
陥没乳頭の手術を受けると術後1ヶ月くらい経過するまでとにかく引き出した乳頭を凹ませないように気をつけなければなりません。
そこで役に立ったのが病院で教えてもらった化粧用のスポンジを使う方法と、私個人で勝手に実践していたプチパッドを使う方法です。
私が乳頭保護のために使っていたアイテム
重度の陥没乳頭ということもあり術後に手術部位が再び陥没しないように自分なりに考えて使用し、良かったものをまとめておきますのでぜひ参考にしてください。
・3M テガダームスムースフィルムロール 10cm×12m
・市販の滅菌ガーゼ
・チュビファースト
・メンソレータム ケアセモ
・プチパッド S
・百均のファンデーション用スポンジ
私が実践した保護方法
1 ファンデーションスポンジ方法
・入浴後に処方された塗り薬を指示されたとおりに塗って(あせもの薬も)その上にファンデーションスポンジの中心にハサミで乳頭の大きさくらいに穴を開けたものを付けます。
私のようにテープで肌が荒れたり、あせもがひどい場合は主治医に言って薬をもらうのがオススメです、私の場合は再診までの間にあせもが悪化したので市販のケアセモを使用してました。
スポンジの上にガーゼをつけてテープなどで固定すれば完成です。
2 プチパッドの方法
・入浴後に処方された塗り薬を指示されたとおりに塗ってからその上からプチパッドをつけます、吸引力が強すぎると縫い目が裂けるので、取れない程度に軽く吸い付くくらいに調節してつけます。
プチパッドの上から中心を切り抜いたガーゼをつけて端をテープで止めて完成です。
私のように重度の陥没乳頭で手術した場合は、乳頭が思ったより引き上げられていなかったり、時間とともに再び中へと戻ったりしやすいので個人的には安定するまでプチパッドを使って保護したほうが安心だと思いました。
次回は術後21日目に再診でついに抜糸します。
一泊二日入院と手術で掛かったお金
私の場合は全身麻酔下で両胸の重度陥没乳頭の施術を受けました。
術後に様態が悪くなるなどのハプニングも有りつつ、予定通りの一泊二日での退院となりました。
今回かかったお金は…
管理料 415点
投薬料 80点
注射料 64点
処置料 65点
手術料 15268点
検査 100点
入院料 5720点
合計 21,712点
3割負担で65,140円でした。
この他に食事代や診断書代5,000円などがかかり、結局71,151円かかりました。
一般的には陥没乳頭の手術にかかるお金は保険適応で両側5万円程度と言われています。
私の場合は全身麻酔下で一泊二日の入院もあったため少し割高となりました。
しかし生命保険に入っていて保険金が多少出るとのことなので、実際の負担は4万円ほどになると思います。
陥没乳頭手術を受けて思ったこと
長い間避けてきた陥没乳頭の手術ですが、実際に受けてみるとあっけなく終わったというのが正直な感想です。
私の場合は麻酔をかけることのリスクが高かったため術後に徐脈になったりとハプニングも有りましたが無事に手術も終わり生活しています。
陥没乳頭の手術は現在では術式も多くなり、クリニックによっては日帰り手術もできる場所も出てきていますので重度の陥没乳頭で悩んでいる方は1度相談して見るものいいかもしれません。
全身麻酔で手術を受けるなら
私のように入院して全身麻酔を使って手術を受けようと考えている方のために私がこうしておいて良かったと思ったことを最後にまとめておきます。
・サボリーノのような洗顔もできるパックを持っていったほうがいい
・小説など寝ながら暇つぶしができる物を持っていったほうがいい
・バスタオルやフェイスタオルは念の為必要
・耳栓があると寝やすい
・割り箸は必須
・500mlのミネラルウォータがあると術後の水分管理が楽
・夏ならミニ扇風機があると助かる
・汗ふきシートがあると助かる
術後すぐはあまり立ってウロチョロできないのでベッドですべて完結できるよう、洗顔の代わりができるサボリーノや汗ふきシートがあるとかなり助かります。
お水は500mlのペットボトルで持っておくと術後にどれ位水を飲んだか把握しやすいので便利です。
あと全身麻酔で手術を受ける場合は身内の方に絶対に付き添ってもらったほうがいいです。
術後はかなり意識もふわふわしていて気づけば話している最中でも寝てしまうので、代わりに話を聞いたり周りの世話をしてくれる人が必要です。
これから手術を受ける方や、娘さんや自分自身陥没乳頭で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
コスメコンシェルジュ・美容家のYURIEです!女性の健康と美容の両面をサポートする商品などを医学や美容の知識をもとにSNSなどで紹介しています。アットコスメのビューティースペシャリストとしても活動しています。日々のスキンケアからメイク方法まで女性の美と健康に関するサポートをします。